世界史雑考

歴史学習

◎(増補版)「アメージング・グレース」物語

*正式タイトル:ジョン・ニュートン(著) 中澤幸夫(編訳)(増補版)「アメージング・グレース」物語 ゴスペルに秘められた元奴隷商人の自伝(彩流社2012年12月)
最近目に触れた翻訳。だが、ジョン・ニュートンについては予備知識はある。
マーカス・レディカーの『奴隷船の歴史』(みすず書房2016年)で既読。<第6章 ジョン・ニュートンと平安の王国>(内容紹介)<反逆の船乗りから敬虔なる船長へ、最初の航海1750-51年、第二の航海1752-53年、第三の航海1752-53年、道に迷い、そして見いだされ>・・・
ジョン・ニュートンは奴隷商人から聖職者に劇的な転換をとげた人物として理解している。
ところで、第1部は編訳者執筆とのこと。増補版では「補章」が追加されている。

以下目次等紹介
第1部 名曲「アメージング・グレース」秘話
第2部 『物語』手紙1 手紙2 手紙3・・・手紙14
第3部 『その後のジョン・ニュートン
第4部 『奴隷貿易についての考察』
補章  クラパム派とウイリアム・ウイルバーフォース
附録1 「アメージング・グレース」の歌詞と和訳
附録2 ジョン・ニュートンのクーパーへの弔辞
ジョン・ニュートン関連年表
f:id:toktan:20200801163129j:plain

◎紹介:アフリカ人、イクイアーノの生涯の興味深い物語

名前は毎度おなじみの人物だ。(大西洋奴隷貿易史をに関心を持つ者としては)しかし初日本語翻訳なのだ。歓迎する。公共図書館から借り受けた。
正式タイトル:英国十八世紀文学叢書5オラウダ・イクイアーノ 久野陽一訳『アフリカ人、イクイアーノの生涯の興味深い物語』(研究社2012年)
目次紹介
第1章 著者の故郷、その慣習としきたり、その他/第2章 著者の生まれと家柄―妹との誘拐―奴隷船の恐怖/第3章 ヴァージニアへ―イングランド到着―降雪の驚き/
第4章 ボスコーエン中将とル・クルー氏の名高い戦闘についての詳細/第5章 迫害、残虐、搾取のさまざまな強雨深い実停/第6章 状況の好転―二度の地震に驚くー3ペンスで商売
を始める/第7章 西インド諸島への嫌悪―自由を手に入れるための計画/第8章 三つの驚くべき夢―バハマの浅瀬で難破/第9章 マルティニコ到着ー新たな困難とイングランドへの航海/
第10章 イエス・キリスト信仰への改宗について/第11章 スペインからイングランドへの帰還の途中、十一人の不幸な人々を救出する/第12章 現在までのさまざまな出来事ー
王妃陛下への嘆願書―結婚―結び
訳者解題―久野陽一
f:id:toktan:20200728211250j:plain

◎一郎の川柳近詠:「川柳展望」掲載句

*『川柳展望』季刊2020夏 NO.182 (8月1日発行 ) 掲載作家数96人。
③[ブロック自由吟]
      徳 島 一 郎 (福岡)
・問答無用新生活様式
・逃避行お手の物です自粛中
タリバンとの和平合意は御破算か
・コロナ不安安倍の怠慢下支え
・ウイルスに掛かって来いとマスク脱ぐ
・肝心の専門会議右顧左眄
・登校も分散ですか淋しいね
・疫病の文明論が流行り出す
パンデミック世界の「底」が抜け落ちた
・緊縮とは支出削減増税
 [展望集]天 根 夢 草 選
       徳島 一郎 福岡  
・安倍首相コロナ患者の数知らぬ
・あいまいなコロナ対策一夜漬け
・新コロナマスク二枚でどうなるの
・新コロナ家に籠って本を読む
・早とちり手抜かりもまた安倍の技
  [前号③ブロック自由吟鑑賞]佐藤正
 ・原発は金がじゃぶじゃぶ流れ出す 徳島一郎
 資源エネルギー庁は、原発は他の発電方法に比べて効率やコストが段違いに低いと宣伝している。単に電気を作る事だけを考えればそうだろうが、例えば、福島のように事故があった場合の対策費核燃料廃棄物の処理などを考えると、この句が言うようにどれだけじゃぶじゃぶ金をつぎ込まなければいけないのか分かったものではない。 
  [180号ブロック自由吟を読む]天根夢草
 ・バス値上げ一つ手前で降りようか 徳島一郎
 一つ手前のバス停で降りると120円ぐらい安いのだろう。手前で降りて歩くのも悪くない。f:id:toktan:20200726094721j:plain

◎愛読書:『ヴァイキング』

*正式タイトル:イヴ・コア著谷口幸男監修『ヴァイキング 海の王とその神話』知の再発見双書(創元社1993)
(図版豊富カラー)
第1章 ヴィキング以前のスカンジナビア
第2章 世界を制覇するノルウェー
第3章 西ヨーロッパキリスト教国を襲うデンマーク
第4章 ルースと東方貿易
第5章 航海者と商人
第6章 ヴァイキングの社会と生活
第7章 神々と英雄
資料篇 1エッダとサガ
神話と日常生活 2エッダの創世神話 3トールとウートガルザロキ 4エギルのサガ 5キリスト教のサガ 6パリ包囲 7ルーン文字
        8アラブ人旅行者が見たヴァイキング 9ヴァイキングの日用品 10『北方民族文化誌』 11ランス・オ・ドメーズの遺跡
        12ロスキレ発掘のヴァイキング船 ヴァイキング略年譜
f:id:toktan:20200723185103j:plain  

 

◎年金者組合川柳サークル(7月例会)

7月17日 福岡市東吉塚会館

*課題吟 「噛む」 2句互選
・かみ合わぬ鍵と鍵穴解けぬ謎      夢想
・噛み砕き説明したが通じない      一郎
・子供らに噛んで含めて説明す      和恵
タコイカを横目で睨む刺身好き     美
・噛みつく子手よりも先に歯を出して   明々

*自由吟 2句 徳島一郎選
・晴れつづき梅雨前線どこへやら     和恵
・山笠は氏子早退どうどうと       明々
・コロナ禍でマスク警察取りしまる    美
・金もらい頭を丸め許し乞う       夢想
・若作りもコロナ菌にはお見通し     一郎

*次回 課題「切り札」
会員募集。どなたもご自由にどうぞ。   

◎「ヴァイキング」所蔵一覧

*「世界史学習サークル」の次のテーマ

アルムグレン編 蔵持不三也訳『図説 ヴァイキングの歴史』(原書房1990年)

荒 正人『ヴァイキング 世界史を変えた海の戦士』(中公新書1968年)

荒 正人『ヴァイキングの末裔 北欧紀行』(河出書房新社1962年)

イヴ・ゴア(谷口幸男監修)『ヴァイキング 海の王とその神話』(創元社1993年)

熊野 聰『ヴァイキングの経済学 略奪・贈与・交易』(山川出版2003年)

熊野 聰『ヴァイキングの歴史 実力と友情の社会』(創元社2017年)

角谷英則『ヴァイキング時代』(京都大学学術出版会2006年)

「バイキング 大海の覇者の素顔」(NATIONAL GEOGRAPHIC)(日本版2017年3月号)

Gareth Williams, The British Museum, The Viking Ship(2014)

JOHN HAYWOOD, THE PENGUIN HISTORICAL ATLAS OF THE VIKINGS(1995)

f:id:toktan:20200706115655j:plain