世界史雑考

歴史学習

◎ポストコロナ雑考①

姜尚中さんの意見を紹介しよう。西日本新聞(10月9日)「文化」<近況往来>(平原奈央子さん)より借用。「ポスト・コロナを思索する政治学者」姜さんはコロナ禍の現状を「国や社会はどうあるべきかリトマス紙にかけられている」とし、格差や差別の拡大を注視する。「不信と分断、対立と不安という人間が作り出すウイルスも徘徊」「自粛警察」とも呼ばれる国民同士の監視。姜さんは、今、大切なのは「自由」と見ている。姜さんは言う。「私たちは、社会の力と国家のバランスの上に初めて自由を満喫できる」。社会の力とは衆知を集めた真摯で自発的な営為のことと言う。権力の寡占状態が進んだ安倍政権下で国家に対するこの力は弱まった、と見る。コロナ禍で再び世界中で読まれるようになったカミユの小説「ペスト」に触れ、この小説に描かれたような一人一人の市民の「誠実さ」が社会の力となり、疫病に対抗する最大の武器になると強調したという。(ここで、私は筆を置く。早速県立図書館にカミユの「ペスト」を予約した。結論はこれを読んだ後にする。)